大久保わかくさ子ども園
プロジェクト一覧に戻る- 場所
- 東京都 新宿区, 日本
- 年
- 2015
新宿歌舞伎町近くの大久保という地域柄、多国籍の子どもを対象とした子ども園のプロポーザルが実施され、異年齢保育の実践と毎日の遊びを自ら選択しながら学び成長する仕掛けとして、家具・建築・緑で環境をつくり地域に開いた施設を提案した我々の計画が採用された。
大部分を占める保育室は、発達に応じた3段階にフロアを分け、それぞれの空間が外部テラスや中庭の緑に開く様に配置し、内部は遊びのコーナーを囲うパーティションを兼ねた個別のロッカー、目的に応じて組み合わせ可能なテーブル、絵本棚、遊具棚、食事配膳カウンターなど、この施設のために設計した家具たちで可変な環境作りを試みている。
また、街路に面したビオトープがある園庭から階段状にテラスや季節感ある固有種の植栽が屋上まで連なり、屋上の野芝で遊べるキッズフィールドや夏のプール、栽培体験が出来るキッズファーム、ぽかぽか日光浴ができるテラス、外壁を利用したアスレチック、自分たちで育てた収穫物や多国籍の食材で料理に挑戦出来るキッズキッチン、オススメの絵本を紹介している隠れ家の様な階段下のキッズライブラリー、音楽や絵画造形に特化したキッズスタジオ等、子どもの好奇心を刺激する遊び場を内外にちりばめている。
そして、緑が大きく茂るにつれて、この施設が多国籍の住民が多く住み閉鎖的だったこの地域で、子どもを通して地域住民同士の異文化相互理解や地域で子どもを寛容に見守り育てるグローバルで平和な意識を育む拠点となってきている。