萬松山高雲寺客殿
プロジェクト一覧に戻る- 場所
- Tsukuba Mirai-shi Ibaraki, 日本
- 年
- 2005
この客殿は、140年前に本堂と共に移築された茅葺の客殿の建替えとして、慶弔の為に二つの大広間、遺族縁者が宿泊可能な小室、厨房を備え、将来的には渡り廊下で本堂と構想中の坐禅堂を繋ぐことによって境内施設全体がスムーズに運用出来る事に加えて、災害時の地域の拠り所としての役割も求められました。
計画は、寺務所も含めて明快な内部構成とし、外観は境内での本堂との対峙を意図し、地域に馴染む入母屋屋根と杉板外壁で構成した上で外壁と外部を覆う杉の吊格子戸は伝統塗料の久米蔵を塗布することで、この建築が一枚のベールを纏った様な佇まいを生み出し、境内に静謐な雰囲気を創り出しています。
この客殿計画を通して、萬松山高雲寺と近隣地域の記憶を継承し未来へと繋ぐ役割を果たすことを意図して、旧客殿の古材を柱や梁の一部に転用しています。
第19回茨城県建築文化賞受賞