Foto © Koichi Torimura

Episode
ご夫妻と三姉妹のための住宅。
駅前の利便性の高い高層マンション暮らしだったご家族は、毎年夏休みに奥様の実家のある沖縄で過ごすことを恒例としておりプールで泳ぐ夏休みを楽しみにしていた。自宅を新しく建てるにあたりこの毎年恒例の夏の楽しみをもっと長く自宅で楽しめるように、沖縄のリゾート施設のように夏を過ごせる家が強いご要望でした。それは何よりも子供達と過ごす夏、一緒に取る食事など毎年季節ごと行事ごとに思い出が蓄積していく、そんな家にしたいというご夫婦のお考えから自宅で過ごす子供達との時間が楽しく豊かなものになることが第一優先事項となった。

Planning
まずはこの家にとってハイシーズンとなる夏に輝く太陽のもと南の島のビラのようなプール、心地よいアウトドアリビングを実現するための配置として何が適正か、建物と2.25m×7mのプール、アウトドアリビングの配置シミュレーションを重ねた。その結果、リビングを中心に日当たりの良い配置ができる敷地ではあったが、今回は一日の半分は陽が当たらないリビングになるように配置することがベストであると判断した。
敷地南側に低いボリュームを配置し、北東向きの庭に面した一番大きな開口部に二段の庇を設け、夏は午後からLDKとアウトドアリビングに日陰を作り出し冬は低い太陽の日射をLDKに深く取り入れるようになっている。またLDKの一番高い所に設けられたハイサイドの窓を開けると家の中を自然に空気が流れ心地よい風を感じることもできる。夏の午後、プールは日差しに包まれ、アウトドアリビングには建物の影が深く落ちることでデイベッドに寝転び快適に過ごすことができるようになっている。
この計画は冬のリビングに陽があまり入らないことで暖房に頼る時間が長くなる事がデメリットだが、屋根の形状と広さから太陽光発電の効率が良く、冬のリビングダイニングは自然エネルギー利用の床暖房によって十分暖かい。ここ最近の猛暑と長い夏になりがちな気候を考えた時に、夏を過ごすための方法として陽を入れないリビングとプールの組み合わせはとても有効であるように思う。

Foto © Koichi Torimura
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House OTH

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Standort
神奈川県, Japan
Jahr
2024

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