Episode
「HANGAR 1」の敷地は福島県の「ふくしまスカイパーク」内に位置し、曲技飛行専用機の常設展示場の他、オーナーの参戦するエアレースの拠点でもあり、子供たちを対象に航空教育をする「空ラボ」など、ここでしかできないプログラムを提供する。イベント時にはパーク全体を祝祭的な広場へと変換する中核的な施設となることもあり、吾妻連峰をはじめとした福島の美しい自然に囲まれた山の頂からユニークな活動を全国に発信し、東日本大震災以降未来を創造していく復興のシンボルとしても機能する。このように「人と空、航空」を中核の理念としながらも活動の幅も発信するものも広く、したがって建物の用途としても多岐に渡るものだと予想ができた。
オーナーがエアレースで世界にチャレンジしてきた軌跡を表現し、そのマインドを次の世代に伝える場所として、小型飛行機のシンプルでありながら職人やエンジニアによって研ぎ澄まされた機体の魅力と呼応し、自然の中におおらかに佇む建物がふさわしいと考えた。

Planning
建物は展示空間・格納庫として使われる大空間の鉄骨フレームに運営事務所や集会のできるヒューマンスケールのラウンジがその上に木軸で挿入されているシンプルな構成である。
ラウンジには滑走路側に約2.5m張り出したバルコニーを設置することで滑走路と展示スペースを同時に見渡せ、比較的少人数のセミナーから大きなイベントまで対応出来るスペースになっている。
構造的には2mを超える積雪荷重を支えながら複数の飛行機を展示できる無柱空間を実現することが必須事項であったが、それを構成する鉄骨など部材同士の接合部・素材の断面・設備などの建物の機能が成り立つ仕組みや用途に対する解決などはなるべくその関係性を見せるデザインにした。
それはここに展示される機体がレースや曲技飛行のために無駄を極限まで削ぎ落としつつ細部を極められた空力学的デザインの結果であり、集まった子供達が素材やしくみなどのものづくりの面白さを感じてもらえるような場となることを前提に、建物も各接合部をできるだけ現しとし、2次部材の端部や仕上げ材の重なりをそのまま見せることでできるだけ物と物との関係性を隠蔽しないように、かつ大味にならないように細かいコーディネートを施した。
外観としては小型飛行機の翼をイメージしたシンプルな水平線を強調し、佇む姿がまわりの自然に抗わず、素直にひとつのまとまりとして見えるようなデザインとなっている。

Photo © Koichi Torimura
Photo © Koichi Torimura
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Hanger 1 航空機展示場

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Locatie
福島県福島市, Japan
Jaar
2018

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