ファンタジアの家1
プロジェクト一覧に戻る- 場所
- 神奈川県藤沢市, 日本
- 年
- 1995
海の近くにある小さな保育園の園舎である。もともと使われていたインディアン・テントの老朽化と園児の増加のため、新たな園舎を計画することとなった。敷地には海からの南風が心地よく、大きなクスノキをはじめ、赤松や孟宗竹などが生い茂る。この樹木がつくり出す自然の空間にはできるだけ手をつけず、屋内の小さな場所を確保することを考えた。
園舎は敷地中央のクスノキの傍に配置している。子供たちは建物裏側に設けられた竹の路を通り、まるで動物が自分の巣に戻るように、自然と建物の内部に入っていく。
建物全体の寸法は、子供たちの小さな身体スケールを基準にして決めていった。内部は半地下とし、4畳の畳の回りをベンチが取り囲む単純な構成になっている。地面に近い横長の窓からは普段と違った視点で周りを見渡すことができ、天窓からはクスノキの木漏れ日を受け取る。建物内側の空間、外側の自然という関係ではなく、内外の気配を感じながら人と人、人と環境が対話できるように計画をした。