写真 © atelier NAVE
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版築ハウス

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2014

この建築は、讚岐地方特有の長屋門のような表情を持っているが、ロフトを持つ平屋建ての建築で、1つのむくり屋根を居住部分と客間部分の2つのブロックで支える形となっている。

居間は、木造の木組みを見上げるような空間になっており、キッチンが個室へのパスゾーンとなっている。また、庭を眺めるライブラリーは個室の前室になっており、家族のコミュニケーションゾーンでもある。建築材料としての版築は断熱性能に優れ、日本建築を表現するテクスチャーとしても申し分ない。

瀬戸内国際芸術祭2013秋-本島で試みた版築は、厚さ700ミリの壁によって構成されていた。厚さ700ミリの版築の壁は、非常に断熱性能に優れていたが、これを一般建築(とりわけ住宅)に採用していくには幾つかのハードルを越えなくてはいけない。

この建築では、施工性の問題や断熱性の問題から、本島プロジェクトの1/10の厚みを採用した。完成した建築の断熱性能は、一般の建材で作られた建築よりも遥かに優れていることが実感できた。

この住宅によって、瀬戸内国際芸術祭2013秋-本島での作品から始まった版築の可能性がますます広がってきた。

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