Villa MKZ

千葉県, 日本
写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
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写真 © Koichi Torimura
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写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
建築家
廣部剛司建築研究所
場所
千葉県, 日本
2021

それは複雑な条件の敷地に、踊るような<足跡>を刻んでいく道のりであった。
南東の海景に面した素晴らしいロケーションの敷地ではあるが、敷地の中央に岩盤が露出した1.4m前後の段差があり、道路側には建築をすることができない領域が食い込んでいた。主として2台分のガレージとゲストルームを納める別棟は、必然的にその段差が最小になる東側のエリアに置かれることになったが、母屋に関しては難しい敷地条件の間を<縫うように>配置していくことが求められた。

ファーストプレゼンテーションの時に、クライアントに説明したのは、連続する三角形でプランが構成されているが、これはここでFIXされるものではなく、これからの詳細設計に合わせて頂点を「つまみながら」変更していくことで調整が可能な手法であるということだった。事実、設計のプロセスにおいて頂点(ポイント)は内部からの要望に合わせて徐々に変化していき、それぞれの場所に必要な生活のスケールを包み込んでいった。

このように、全体を強い幾何学で「統御」するのではなく、内部のアクティビティにあわせて空間のスケールを可変していく余地を内包した手法を「モーダル・プランニング」と名付け、『PHASE DANCE』(2019)でも採用している。
三角形の平面形を増幅するように構成されている屋根スラブは、1ヶ所ずつ形状の違う多角形の柱と、一部の耐力壁によって持ち上げられ、内部の気積から高さ方向のリズムとボリュームを連続的にデザインしている。かくして海に向き合う諸室が、東西に折れ曲がりながら連続する平面構成となり、シーケンシャルに空間が連続することとなった。

ここでは自由平面の三角形が連続する「複雑性」を操ることによって、ランドスケープとの関係や各室の必要な面積、空間のボリュームなどのパラメーターを自由に可変させようと試み、結果として内部の自然なスケール感や敷地との親和性が生まれることを目指している。

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