軽井沢鶴溜の家
長野, 日本
- 建築家
- 遠藤克彦建築研究所
- 場所
- 軽井沢, 長野, 日本
- 年
- 2010
軽井沢の週末住宅です。クライアントからは、自分の家族と利用することと同時に友人達との時間を過ごす場所として、そして時には多くのゲストを招いてのレセプション的な使い方も出来るよう、パブリックスペースとプライベートスペースの各々が独立しつつも有効に繋がっていく計画が求められました。敷地は馬の背状の尾根にあり、南北そして東に対して完全に開けた眺望を得られる場所にあります。しかし平坦な場所はほとんどなく、また車が尾根へと上るルートや駐車可能な位置などを考慮すると、傾斜面を利用しながら如何にして高低差を解消できるかが計画課題となりました。建物は東西方向に配置され、床と天井の2枚の間に大きく開かれた空間を持ちます。この2枚の板を支えるように機能の入った諸室が配置され、そのボリューム以外は全てガラスサッシの開口部としてデザインしています。このボリュームは外壁と同じ杉材で覆われ、かつその開口はリビングダイニング方向には最小限必要なものだけが開けられています。そして全てのガラスサッシを開放すると、室内は周囲の自然と完全に一体となります。建築という垣根を取り払い、周辺環境と一体となって使われていく建築を計画するためには、「建物をデザイン」するのではなく、「場所をデザイン」することであると、この週末住宅は改めて教えてくれました。
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