GRE / ichinoichi
福島県須賀川市, 日本
- 場所
- 須賀川市, 福島県須賀川市, 日本
- 年
- 2021
福島県須賀川市の60年前に市内初のRC造として建設された元市場。
無骨で重々しい構造体は、現在では飲食店が細切れに入り、その時々で構造体にまで身勝手な改修が行われてきた。それでも繁華街のシンボル的な建物としては変わることなく、そして東日本大震災での大きな揺れにも耐え抜いてきたことに敬意すら感じる。
東京在住の地元出身のオーナーが、ここで受発信の場所を作りたいということから始まり、意見を出し合った。
あらゆるモノ・コトを見直し再考した上で、新たな価値として発信していく「Re」の位置付けとしている。
構成としては、街のメイン通りに空間の1/3を提供するように外部空間として減築を行い、その空間はビニールカーテンによって室内でも屋外にでも変化させられるようになっている。
その空間の奥には完全に引き込める6枚の引き戸があり、引き戸を引き込むことによって店内すべてを外気空間に変化させることも可能となる。
街の祭りやイベントも店内に引き込み、そして時には店内から街に提供していく。
力強い構造体はできる限り人の目につくように露出させ、破壊された構造体は丁寧に修復し、これまで生き抜いてきた歴史を人にきちんと伝えるようにしているが、それそのものが意匠となっている。
店内の家具などもすべてアンティークなどを修理・修復したものを使用し、店全体が「Re」の集積によって構成されている。
このように街(通り)と空間とが共存・越境し、地元の方々に少しでも地元の良さを改めて感じていただき、そんな刺激の一つになることを私は願っている。
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