© Daisuke Shima
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© CASE-REAL
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CHALET W

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場所
Hokkaido(Niseko), 日本
2019

施主は、海外から毎年日本に短期滞在しているスノーボードの愛好家。彼が滞在中に家族と過ごすための場所であり、さらにはゲストとリラックスして交流できるようなシャレーを計画することとなった。敷地はスキーリゾートとして有名なニセコエリアの一画で、周囲を白樺に囲まれた雑木林の中にある。施主からの希望は、敷地に対して可能な限り床面積を確保すること、ゲストが訪れた際にくつろげる座敷があること、そしてこの土地のシンボル的な存在でもある羊蹄山を眺められる窓と開放的なリビングダイニングであった。
計画を進める上で第一に課題となったのが、建物のボリューム形状である。一帯は北海道の中でも有数の豪雪地帯で、定められた落雪飛距離(屋根の勾配や高さに応じて確保すべき隣地からの距離)の規定を厳守しなければならない。しかし今回の敷地は短辺が10m程の区画であり、建物をシャレーらしい切妻屋根にしようとするとボリュームの幅が非常に小さくなり、さらには天井高さも低い狭小な建物しか建てられないことが分かった。一方で、施主は単調な箱型ではない形状を希望していた。そこで私たちは、フラットな陸屋根と傾斜屋根を適度に複合させることで、落雪飛距離を最小限に抑えて床面積と天井高さを極力確保するようなボリュームを考えることにした。
その結果、屋外では屋根として位置づけられる傾斜面を、室内では天井と壁との中間的な存在として取り込む、特徴的な内部空間を得ることが出来た。そしてこの傾斜部分に、深さのある大きな2つの出窓を設置。ここから羊蹄山が見えるようにした。さらに希望のあった座敷を、この出窓に沿って連続的な小上がりとして計画。これによりリビングダイニングとなる2階全体の開放感を損なうことなく、落ち着いたスペースを設けることができた。また、内部の壁や天井は白を基調とし、床や造作も彩度を抑えた仕上げを選定。アートのコレクターでもある施主が作品を飾れるよう極力ノイズを省くとともに、窓から見える景色とのコントラストを意識した。外部の仕上げには淡いグレーで染色をかけた道産杉の外壁と、屋根はシルバー色の鋼板を使用。白樺の雪景色の一部となるような建築を目指した。


計画種別:新築
用途:別荘
計画期間:2018年8月~2019年12月
構造:木造
規模:地上2階
建築面積:79.2平米
延床面積:154.28平米(1F/75.50平米、2F/78.78平米)
敷地面積:198平米
計画地:北海道虻田郡倶知安町
設計:ケース・リアル 二俣公一 大仁田雄輝
設計協力・施工:脇坂工務店
照明計画:BRANCH LIGHTING DESIGN 中村達基

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