美瑛のコテージ群
Volver a la lista de Proyectos- Ubicación
- 北海道美瑛町, Japan
- Año
- 2019
「日本で最も美しい村」との異名を持つ北海道美瑛町。その美しい丘に建つ5軒の別荘コテージ群である。
三角形の敷地は、二方を白樺とエゾマツの並木に囲まれ、もう一方は小麦畑に面して視界が開かれている。初めて訪れた際、あまりの美しさにおもわず息を飲んだ。如何にしてこの風景に建築を溶け込ませるか、自然の一部をおすそ分けしてもらうという姿勢をもって慎ましやかな建築がつくれないかと考えた。
設計期間をつうじて検討を重ねた結果、周りの樹々のかたちに倣い、葉が生い茂る高さに合わせてメインの居室を2階レベルに持ち上げる構成をとった。基礎から1階までを鉄筋コンクリート造、2階3階を木造とする混構造建築である。建築があたかも森の一部としてふるまえるような佇まいを目指した。
この地域に定められた凍結深度800㎜を確保するために掘り下げられた基礎スラブをそのまま1階床レベルとし、スキップフロア状に半階ずつずれながら上昇していく。最上部のレベル差はスロープと緩い階段で繋げられ、その勾配がそのまま外観として現れてくる。5軒すべてが敷地中心側から外側の風景に向けて垂直方向にハの字を描くことで、室内からは外の自然がよりダイレクトに感じられ、屋外からはコテージ群としてのまとまりを持ちつつ変化に富んだユニークな外観を演出している。